応援するクラブを、相手チームの本拠地(アウェイ)で後押しする「アウェイ遠征」

それは、ホームスタジアムでの観戦とはひと味もふた味も違う、特別な体験です。
スタジアムの大多数を占める相手サポーターの中で、仲間たちと声を枯らし、選手たちを鼓舞する一体感苦労の末に掴んだアウェイでの勝利の味は、何物にも代えがたい喜びをもたらします。
- 何から準備すればいいのか分からない
- 交通手段や宿泊先はどうやって決めるの?
- 持ち物や現地のルールが不安
一方で、初めてアウェイ遠征に行く方の中には、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか?
この記事は、そんな方の「不安」を「自信」に変え、「行ってみたい」という気持ちを「行ける!」という確信に変えるための総合ガイドです。
チケットの確保から、交通手段の比較、持ち物リスト、当日の動き、観戦マナー、そして万一のトラブル対策まで、必要な情報をすべて網羅しました!

最後まで読めば、アウェイ遠征の全体像が明確になり、万全の準備でアウェイ遠征を迎えることができます!
アウェイ遠征とは?ホーム戦との違いを理解する

まず、基本となる「アウェイ遠征」の定義と、ホームでの試合との違いを理解しましょう。
アウェイ(AWAY) | 相手チームの本拠地で行われる試合を指します。 「敵地」と表現されることもあります。 |
遠征(えんせい) | 遠い場所へ出かけていくことを意味します。 |
このふたつを組み合わせ、「応援するクラブの、相手本拠地で行われる試合を観戦するために、遠くまで出かけること」を指します。
ホームと違う3つのポイント
アウェイ遠征が、ホームでの観戦と大きく異なる点は、主に以下の3つです。
スタジアムの雰囲気
ホームスタジアムでは、自分たちが「多数派」です。
アウェイではその立場が逆転し、スタジアムの大部分は相手サポーターで埋め尽くされます。この独特の緊張感こそが、アウェイの醍醐味だと考えています。

限られたビジター席の仲間たちとの結束は自然と強まり、ホームとは異なる熱気が生まれます。

応援する場所とルール
アウェイでは、原則として「ビジター席(またはアウェイ席、ビジターサポーターズシートなど)」と呼ばれる、アウェイチームのサポーター用に指定されたエリアで観戦します。
ここで重要なのが服装のルールです。
ホームチームのグッズを着用してビジター席に入ることはできず、逆にビジターチームのグッズを着用してホーム側の席に入ることも原則として禁止されています。
これは、サポーター同士の無用なトラブルを避け、お互いが安全に観戦を楽しむための重要なルールです。

詳細は各クラブの公式サイトで確認しましょう。
移動と宿泊の必要性
隣県への遠征であれば日帰りも可能ですが、多くの場合、長距離の移動や宿泊が伴います。
試合観戦という主目的に加え、「移動計画」「宿泊計画」という旅行の要素が加わるのが、アウェイ遠征の大きな特徴です。

アウェイ遠征は、単なるサッカー観戦ではなく、慣れない環境での「挑戦」であり、新しい発見に満ちた「冒険」でもあります。
計画段階:成功のための事前準備6つのステップ
アウェイ遠征の成否は、事前の準備で9割決まると言っても過言ではありません。

以下のステップに沿って、計画的に進めていきましょう。
ステップ1:試合日程とチケット販売情報を確認する
すべての始まりは、ここからです。リーグ公式サイトや応援するクラブの公式サイトで、対象試合の「試合日」と「キックオフ時刻」を正確に把握します。
次に重要なのが「チケット発売日」
特に人気カードやシーズンの最終節などは、発売開始後すぐに完売する可能性もあるため、発売日時をカレンダーに登録しておくことを強く推奨します。

私の場合、絶対に行きたい試合のチケット発売日はスマホのカレンダーアプリに登録して通知が
来るようにしてあります。
確認事項
- 試合開催日、キックオフ時刻
- チケットの一般発売開始日時
- チケットの購入方法(Jリーグチケット等)※
ヴィッセル神戸(楽天チケット)やサンフレッチェ広島(サンフレチケット)のようにクラブ独自の購入窓口を設けている場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。
ステップ2:交通手段をリサーチする
チケットの目処が立ったら、次はスタジアムまでの交通手段を調べます。
アクセス方法は新幹線、飛行機、高速バス、自家用車など、選択肢は多岐にわたります。
新幹線・特急列車
Rの指定席は、原則として「乗車日の1か月前の午前10時」に全国一斉発売されます。遠征日程が決まったら、この日を忘れないようにしましょう。
飛行機
長距離の移動では最も速い手段です。早期予約割引(早割)を利用すれば、新幹線より安くなるケースもあります。
高速バス
費用を最も抑えられる選択肢です。夜行バスを使えば、宿泊費を節約しつつ、寝ている間に移動できるメリットもあります。
自家用車
荷物の量や移動の自由度が高いのが魅力です。ただし、長距離運転の疲労や、スタジアム周辺の駐車場問題は大きな課題です。
ステップ3:宿泊先をリサーチする
ナイトゲームの場合や、試合後に観光を楽しみたい場合は宿泊が必要です。
大きく分けて「スタジアム周辺」か「主要駅周辺」の2択になります。
スタジアム周辺 | 試合前後の移動が楽 ホテルの選択肢が少なく、周辺に飲食店などが少ない場合があります。 |
主要駅周辺 | ホテルの選択肢が豊富で、飲食店も多い。 翌日の観光や帰路へのアクセスも良好です。 |
人気の試合日や、同日に大規模なイベントが開催される場合、周辺のホテルはすぐに満室になります。

交通手段と同時に、なるべく早く予約を押さえるのが鉄則です。
ステップ4:スタジアムへのアクセスを確認する
最寄り駅からスタジアムまでの距離や移動手段も重要な確認項目です。
- 徒歩圏内か?
- シャトルバスは運行されているか?
- 路線バスは運行しているか?
- 自家用車の場合、駐車場の有無・予約の有無(チケットの購入など)

これらの情報は、各クラブ公式サイトの「アクセス」ページに詳しく記載されています。
ステップ5:概算費用を把握する

遠征にはどれくらいの費用がかかるのか、事前にシミュレーションしておきましょう。
費用の内訳
- 交通費(往復)
- 宿泊費(1泊分)
- 観戦チケット代
- 飲食代(スタジアムグルメ、食事代など)
- グッズ代、観光代など
- 交通費:約30,000円(新幹線のぞみ指定席・通常期往復)
- 宿泊費:約10,000円~15,000円(ビジネスホテル)
- チケット代:約4,000円(ビジター席)
- 飲食・雑費:約10,000円
- 合計:約54,000円~59,000円
ステップ6:持ち物を確認する
出発日が近づいてきたら、持ち物の準備を始めます。詳細は次章で詳しく解説します。
持ち物リスト:必須アイテムと、あると便利なグッズ

以下のリストを参考に、チェックしながら準備を進めましょう。
【必須アイテム】絶対に忘れてはいけないもの
観戦チケット | 電子チケットの場合は、画面のスクリーンショットも保存しておくと安心です。 |
現金 | キャッシュレス決済が進んでいますが、現金が必要な場面もまだあります。 |
スマートフォン | チケット表示、地図アプリ、情報収集、連絡手段として不可欠です。 |
モバイルバッテリー | 試合前後に充電できる場所はほぼありません。 レンタルサービスを活用する方法もあります。 |
応援グッズ | ユニフォーム、タオルマフラーなど。 大旗やゲートフラッグなどは、クラブが定める掲出ルールを事前に確認する必要があります。 |
雨具(ポンチョ・カッパ) | スタジアムの観客席では、安全上の理由から傘の使用が禁止されています。 屋根のないスタジアムも多いため、あると便利です。 |
身分証明者・健康保険証 | 万一のトラブルや体調不良に備え、必ず携帯しましょう。 |
【あると便利なアイテム】快適性を向上させるもの
ウェットティッシュ | スタジアムグルメで手が汚れた時や、座席を拭く際に役立ちます。 |
大き目のビニール袋 | ゴミ袋としてだけでなく、雨が降った際に荷物を入れてとしても利用できます。 |
軽食・飲料 | ペットボトルの持ち込みルール(容量やキャップの扱い)はクラブによって異なります。 |
ジップロック | スマホやチケットなどを雨から守るのに最適です。 |
常備薬 | 普段から服用している薬や、頭痛薬、胃腸薬など |
季節対策 | 夏: 冷感タオル、携帯扇風機、帽子、塩分補給タブレット 冬: 使い捨てカイロ、ひざ掛け、ニット帽、手袋など |
折り畳みクッション | スタジアムの座席は硬く、長時間座っているとお尻が痛くなることがあります。 快適性が格段に向上します。 |

特に大き目のビニール袋はいろいろな場面で役に立つので1枚だけでも持っておくのをおすすめします。
移動手段の選び方:距離・時間・予算・人数で最適解を見つける
遠征の快適さや費用を大きく左右するのが移動手段の選択です。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に合った方法を選びましょう。
新幹線・在来線特急
メリット
- 到着時刻が正確で、計画を立てやすい
- 座席スペースが広く、移動中の身体的負担が少ない
- 移動中に休息や食事、情報収集ができる
デメリット
- 他の交通機関に比べて、正規料金は高めになる傾向がある
- 自家用車と比べると移動の自由度が低い
JR東海「EXサービス」やJR東日本「えきねっと」などのネット予約サービスでは、早期予約による割引(早特商品)が設定されている場合があります。

自家用車
メリット
- 出発・帰宅時間を気にせず、自分のペースで移動できる
- 大型の応援グッズや着替えなども気軽に運べる
- 複数人で乗り合わせれば、一人あたりの交通費を大幅に抑えられる
デメリット
- 長距離の場合、運転者の負担が非常に大きくなる
- 予測不能な渋滞に巻き込まれる可能性がある
駐車場は「akippa(アキッパ)」などの予約制駐車場サービスを活用するのがおすすめです。
クラブが公式に提携している場合もあり、スタジアムから徒歩圏内の場所を事前に確保できます。

予約制駐車場の中でも代表的な「akippa」について別記事にまとめているので、よかったらこちらもご確認ください。
高速バス
メリット
- 費用を最優先するなら、最も有力な選択肢です
- 主要都市間をダイレクトに結ぶ路線が多く、乗り換えの手間が省けます
デメリット
- 新幹線などに比べ、移動に時間がかかります
- 道路状況によっては、到着が大幅に遅れる可能性がある
3列独立シートやフルリクライニング機能など、グレードの高いバスを選ぶことで快適性を補うことができます。
飛行機
メリット
- 北海道や九州など、遠隔地への遠征では必須の選択肢
- 他の選択肢と比べて圧倒的に短時間で向かうことが可能
デメリット
- 空港が市街地から離れている場合が多く、空港とスタジアム間の移動に時間と費用がかかる
LCC(格安航空会社)を利用したり、航空会社・旅行会社のセールや早割を活用したりすることで、費用を抑えることが可能です
宿泊先の選び方と予約のコツ
宿泊を伴う遠征では、ホテル選びも重要な要素です。どこを拠点にするかで、遠征全体の満足度が変わってきます。
スタジアム近くのホテル | 主要駅近くのホテル | |
メリット | 試合後の移動が楽 疲れたらすぐに休める | ホテルの選択肢が豊富 飲食店やコンビニが多い 観光や帰路へのアクセスが良い |
デメリット | 選択肢が少ない場合がある 周辺に飲食店が少ない場合がある | スタジアムまでの移動が必要 試合後は駅や公共交通が混雑する |
- 遠征が決まったら、すぐに宿を押さえる
- 予約サイトの写真だけでなく、Googleマップなどでホテルの正確な位置や、夜間の道の明るさ、コンビニまでの距離などを確認しておく
- 予約サイトのレビューで、「清潔さ」「騒音」「スタッフの対応」など口コミをチェック

予約の際やキャンセル料がいつから発生するのか把握しておきましょう。

レビューやGoogleMapに掲載されている写真を確認すると実際の雰囲気がわかるのでおすすめです。
観戦マナーと注意点
スタジアムでは、誰もが気持ちよく観戦できる環境を共有することが大切です。
これはホームでもアウェイでも同じです。
ビジター席での観戦が原則:
前述の通り、アウェイチームの応援は、指定されたビジター席で行います。
チケット購入時に、席種を間違えないよう十分にご注意ください。
リーグ共通の観戦マナーを守る:
Jリーグでは、すべての試合で共通のルールとマナーが定められています。
クラブ独自のルールを守る:
共通マナーに加え、横断幕の掲出場所、大旗の使用可能エリア、太鼓などの鳴り物の使用ルールなど、クラブやスタジアムごとに詳細な規則が定められています。
これらの情報は、対戦相手となるホームクラブの公式サイトに「ビジターサポーターの皆様へ」といった形で掲載されています。

遠征中のトラブルを防ぐための具体的な対策

万全の準備をしても、予期せぬトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
事前に対策を知っておくことで、冷静に対処できます。
交通機関の遅延:
移動計画には、常に30分~1時間程度の「バッファ(余裕)」を持たせましょう。
特に試合へ向かう際は、キックオフ時刻から逆算し、早め早めの行動を心がけてください。
チケット忘れ・スマホの充電切れ:
自宅を出る前、乗り換えのタイミングなどで、チケットの有無を指差し確認する癖をつけましょう。
電子チケットの場合は、モバイルバッテリーの携行と、事前のフル充電しておくと安心です。
体調不良:
遠征前日は十分な睡眠をとることが大切です。
夏場はこまめな水分・塩分補給を、冬場は防寒対策を徹底しましょう。気
分が悪くなった場合は無理をせず、スタジアムの救護室の場所をあらかじめ確認しておくと安心です。
道に迷う:
スマートフォンの地図アプリは非常に便利ですが、電波状況が悪い場所や充電切れに備え、主要な場所(駅、ホテル、スタジアム)の位置関係を大まかに頭に入れておくと良いでしょう。
持ち物の紛失・盗難:
人混みの中では、バッグは前に抱えるように持ちましょう。
貴重品は内ポケットに入れるなど、管理を徹底してください。
試合当日の流れ(シミュレーション)

ここでは、1泊2日、15時キックオフの試合を例に、当日の動きをシミュレーションしてみましょう。
- 8時新幹線で東京駅から新大阪駅へ
- 11時新大阪駅に到着
荷物が多い場合は周辺のロッカーなどに荷物をまとめておくのがおすすめです
宿泊予定のホテルに向かい預けて置くと楽です
- 11時30分軽く昼食
スタグルを食べるのがいいと思いますが、現地が混雑している可能性があるので軽く食べておくのがいいと思います
- 12時スタジアムに向けて出発
シャトルバスや公共交通機関は、キックオフ2~3時間前から混雑し始めます。余裕を持った移動が大切です
- 13時スタジアムに到着
まずは場外エリアを散策し、スタジアムグルメ(スタグル)を楽しんだり、グッズの売店に行ったりするのがおすすめです
- 13時30分スタジアムに入場
自分の座席を確保
再入場の可否はクラブによって異なるため、入場時に確認しておくと良いでしょう
- 14時頃選手ウォーミングアップ開始
選手たちのウォーミングアップを見学しながら、スタジアムの雰囲気を味わいます
- 14時50分選手入場
タオルマフラーを掲げ、チームを全力で応援する準備をしましょう
- 15時キックオフ
- 17時試合終了
- 17時20分ホテルに向けて出発
試合後、スタジアム周辺は大変混雑します
係員の指示に従い、焦らずに行動しましょう
- 19時ホテルに到着
遠征先で夕食をとる場合は、事前に目星をつけておくとスムーズです
さらに詳しく:各スタジアムの公式観戦ガイドを活用しよう
アウェイ遠征の一般的な流れや注意点を解説しましたが、スタジアムの構造、アクセス、座席のルール、スタジアムグルメなどは、場所によって様々です。
遠征に行く前には、必ず訪れるスタジアムをホームとするクラブの公式サイトをチェックすることが非常に重要です。
多くのクラブが、初めて訪れる人やビジターサポーター向けに、専用の観戦ガイドページを用意しています。
- 「はじめての観戦ガイド」
- 「ビジターサポーターの皆様へ」
- 「スタジアムアクセス」
- 「観戦ルール・マナー」

これらのページには、席割図、入場ゲート、ビジター席の応援ルール、持ち込み可能なもの・禁止されているものなど、その日に必要な情報が具体的に記載されています。
当ブログでも今後、スタジアム毎の観戦ガイドやアクセス情報を発信していく予定です。
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まとめ:不安を準備で上書きして、最高のアウェイ遠征を楽しもう

初めてのアウェイ遠征は、誰にとっても不安なものです。
この記事で解説したポイントを一つひとつ確認し、準備を整えれば、その不安は「期待」と「興奮」に変わっていくはずです。
最後に、アウェイ遠征成功へのステップをもう一度おさらいしましょう。
- 試合日程、チケット、交通、宿、スタジアムのルールを徹底的に調べる
- タイムスケジュールと予算を立て、無理のないプランを組む
- 持ち物リストを参考に、忘れ物がないようにパッキングする
- 時間に余裕を持って行動し、現地のルールとマナーを守る
アウェイ遠征は、準備の段階からワクワクが始まる素晴らしい体験です。
ホームタウンを離れ、愛するクラブのためだけに旅をする。そこでしか見られない景色、味わえない感動が、あなたを待っています。
まずは、比較的近場のスタジアムへの遠征から、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
この記事が、あなたの素晴らしい遠征デビューの一助となることを願っています。
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